
ソウルの大統領府で握手する韓国の文在寅大統領(右)と中国の王毅国務委員兼外相
中国の王毅・外交担当国務委員兼外相が4年ぶりに韓国を訪問しましたが、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄が延期された直後だったことから、「GSOMIAは破棄するんじゃなかったのか!」と直接文句を言いに行ったのだと思っていました。
米韓関係がいよいよ軋んできたタイミングを突いて、在韓米軍のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の完全撤去について、さらにねじ込みに出向いたんですね。
米中間で対立が続く貿易問題でも、米国の理不尽な要求(中国にとっては、ですが)に韓国が反対していくよう迫ったことも伝えられています。
一方、文大統領の側近・文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官が4日、国際会議で「もし北朝鮮の非核化が行われていない状態で在韓米軍が撤退したら、中国が韓国に『核の傘』を提供し、その状態で北朝鮮との交渉をする案はどうか」と発言しました。
文正仁と言えば、9月にはタス通信に対して「韓国と北朝鮮は欧州連合(EU)のような経済連合を組むことが可能。米韓同盟については、韓国が核兵器を保有すれば、必要性はなくなるだろう」と語っています。
文正仁の「中国の『核の傘』」発言について、ニッポン放送の飯田浩司氏はこう解説しています。
マスコミオープンの場で、このような発言をすればニュースになるのは分かり切っています。「対米離反」の圧力をかけた中国への回答とみていいのではないでしょうか。もちろん、「イエス」という回答です。
もともと、文正仁氏は昨年5月、米外交誌「フォーリン・アフェアーズ」に、「北朝鮮と平和協定が締結されれば、在韓米軍の駐留を正当化するのは難しい」と寄稿していました。
ただ、今回は一歩も二歩も踏み込んでいます。昨年の時点では「南北和平実現後の在韓米軍撤退」だったのが、和平実現前に「中国の核の傘の下に入る」となれば、米韓離反どころではありません。中韓で「事実上の軍事同盟」が成立することになり、北東アジアの様相は一変します。
もはや南北和平が実現しようがしまいが、韓国の政体が変わろうが変わるまいが、朝鮮半島は中国の友好国が占めることになります。対馬海峡から日本海に至るラインが、米中の勢力対峙(たいじ)の最前線になるわけです。
以前、韓国は価値観を共有する民主主義国であるから、そうであるうちは中国・北朝鮮とのクッションとして“用韓”し、稼いだ時間で、朝鮮半島が中国・北朝鮮サイドに加わった場合に備える-という考えを披露しました。
しかし、残された時間が考えていたよりも少ないかもしれません。
飯田氏が考える“用韓”という発想ですが、強大な軍事力を背景に政治的にも心理的にも圧力をかけて、韓国を都合よく用いているのは、中国です。
中国が目論むのは東アジアから米国を排除することですから、北朝鮮と韓国両国の間に入った現在の形は中国にとって事を進めやすい状況にあると言えます。
「中韓同盟」を臆面もなく唱え始めるなど、韓国がいよいよもって怪しくなってきたということは、日本にとって、中国の軍事的な脅威が強まったと考えなければなりません。
韓国が西側諸国に留まるのか、中国、北朝鮮の「レッドチーム」に取り込まれるのか、いずれにしても日本は安全保障について真剣に考える時期に来たと言えそうです。
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