
反政府活動が続く香港の九竜地区にある香港理工大とその周辺でデモ隊と警官隊が激しく衝突、香港メディアによると、18日未明、警官隊が若者らが立てこもる大学構内に突入しました。多数の負傷者が出ているようです。
雨傘運動を主導し香港衆志(デモシスト)メンバーの周庭(アグネス・チョウ)さんは18日、「警察側は催涙弾、放水車、装甲車を使用した上、大学を封鎖して記者に構内から離れるよう呼びかけました。デモ隊や若者達は封鎖された大学に閉じ込められ、遺書を書いた人もいます」「30年前の悲劇(天安門事件)が今の香港に起きませんように」とツイートしました。
周庭さんによれば「警察は、理工大学から離れたボランティア救急隊(医者、看護師など)を戦犯のように全員拘束しました。これは香港の人道危機です」「香港政府は、もう警察をコントロールできていないのです。私たちの命と未来は、香港政府と警察に破壊されています」と訴えています。

警察に拘束されたボランティアの医療メンバー
産経新聞の報道でも「18日未明に大学を脱出し命からがら帰宅した女子高校生(17)は『催涙弾の嵐で本当に怖かった。まだ大学に3、400人残っていた。みんな遺書を書いていた』と話した」「18日、香港理工大から外に出たボランティアの医療メンバーらも拘束された。『暴動を支援したとの理由だ。信じられない。本当に警察はひどい』。14人の仲間が大学から戻ってこないという男性ボランティア(20)は憤った」「『警察に囲まれた学生たちは助けを待っている。早くしなければ…』。香港理工大のキャンパスに近い交差点付近で懸命にレンガを石で割っていた女性(35)は、会社を休んで駆けつけた」とありました。
同紙などによれば「理大にゴキブリ(デモ隊)を殺しに行く。逃げるなよ、(1989年の)天安門事件を再現してやる」と叫ぶ警官とされる男の声が入った動画もネットに出回り、市民のさらなる反発を買っているといいます。
「理大を救え!」。反政府デモを支援する若者ら市民の間では、このスローガンが合言葉になっているようです。
逮捕される「恐怖」と闘いながら抗議する若者たち

米国と英国の国旗を振って「西側世界」に助けを求める香港の若者2人
香港政府が平和的な抗議活動にほとんど耳を貸さない以上、民主化を求める学生や市民は暴力的行動を取るしかもう選択肢がなくなっています。
武装警察はデモ鎮圧のために、効力の弱い「化学兵器」かと疑いたくなるような催涙ガスを使い、目に当たれば失明も起こりうるゴム弾を撃ち、肌に触れると痛みを伴う青い水を放水車で浴びせます。
実弾を発砲することすら躊躇しなくなっており、11日には警官に至近距離から腹部を撃たれた若者が重体になりました。
香港の将来のために「生きるか死ぬか」の状況の中で、香港の若者たちは逮捕、連行という「恐怖」と闘いながら抵抗していることを忘れてはいけません。
さらに数々の証言や動画から、警官による虐待、拷問、また拘留中の女性に対するレイプなども報告されており、現実はより過酷な状況にあることは間違いないようです。
香港のもう1つ辛い事実、日本人の誤解と関心のなさ
元産経新聞記者でジャーナリストの福島香織さんは「こうした瀕死の香港に対して、もう1つ辛い事実は、日本人の誤解と関心のなさである」と指摘しています。
「たまに日本の民放地上波の番組にゲストコメンテーターとして呼ばれることがあるのだが、日本を代表するコメンテーターたちが香港の現状について『生活に心配のない学生が暴れて、市民の多くが迷惑をこうむっている』といった解釈していたのに愕然とした」といいます。
日本人が香港デモに無関心のままではいけない理由
福島さんはさらに「米国は『香港人権・民主主義法』という立法をもって中国に圧力をかける方針のようだが、日本はこのまま無関心を貫いていいものだろうか」と問いかけます。
また「ここで注意すべきは、来年春に予定されている習近平主席の国賓としての訪日の影響だ。今の予定では、習近平主席は天皇陛下との特別会見が設定される。中国共産党の歴代政権が、日本の天皇陛下との会見を国内に向けての権威強化に利用してきた経緯は今さら繰り返す必要はないだろう。だが、考えてほしい。香港情勢がこのまま悪化し、万が一、解放軍を出動するようなことになれば、天安門事件後の天皇陛下訪中と同様に、軍によって学生デモを鎮圧した専制政治に対して日本の天皇陛下が権威付けを行ったと、国際社会から受け取られるような場面も想定されるのではないか」と危惧しています。
香港政府を操るのは中国共産党です。
中国は非情です、天安門を思い出せばよく判ります。チベットやウイグルに対してもそうです。
ましてや、「小日本」(日本に対する蔑称です)の国益なんて、中国(米国もそうですが)は考慮しません。
人権問題や尖閣諸島への侵入などが改められない限り、中国の習近平を国賓として日本に招くことに当ブログは反対です。
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